経済協力開発機構、排出削減目標引き上げの要請を歓迎
発表日:2010.07.19
経済協力開発機構(OECD)のグリア事務局長は、EUの2020年温室効果ガス削減目標を、1990年比で30%減まで引き上げるよう求めるイギリス・フランス・ドイツの3ヶ国の大臣による要請を歓迎する、と述べた。EUではすでに、1990年比で20%削減するとの2020年目標の下、これを達成するための法整備も終えているが、他の先進諸国が同等の排出削減を約束し、途上国も同様の取り組みを行うことを条件に、30%の削減も提案していた。グリア事務局長は、30%の削減目標が必ずしも過大な経済的負担にはならないという。最近のOECDの分析によると、30%削減のコストは2020年の年間GDPの約0.3%(各排出権取引市場の連携を前提)で、20%削減の場合の同0.2%と大差ない。しかも、目標の達成は歳入増につながるとされ、例えば排出権取引や炭素税を導入して30%削減が達成できた場合、EUは2020年にGDPの約1%分の追加歳入を期待できるという。厳しい削減目標を設定すると、自国の産業競争力が低下すると懸念する声もあるが、OECDの分析では、EUでの30%削減にかかる経済的コストは、他国がコペンハーゲン合意を達成するためのコストと同等に収まるとされている。