JICA、対ベトナム地球観測衛星の整備を継続・円借款供与Ⅱ期目へ
発表日:2022.05.24
国際協力機構(JICA)は、「衛星情報の活用による災害・気候変動対策事業(II)」の円借款貸付契約に調印した(相手方:ベトナム社会主義共和国政府、限度額:188億7,100万円)。ベトナムは世界でも有数の自然災害多発国で、災害対策の推進が喫緊の課題となっている。災害による被害の軽減・予防に向けて地球観測衛星の活用が検討されているが、同国で運用できる衛星は観測可能な時間帯や天候等の制約がある光学衛星1基のみであった。こうした現状を踏まえ、ベトナムは「2030年までの国家災害軽減戦略」を策定し、災害リスク管理等における衛星リモートセンシングの活用を位置づけ、「2020年までの宇宙技術研究、適用にかかる戦略(宇宙戦略)」において国産人工衛星の打上げを目標に掲げた。同事業は、宇宙戦略の個別計画である「ホアラック(ハノイ市)宇宙センター設立に関する具体計画」を踏まえてプロジェクト形成された。今次円借款は、2011年11月承諾され、既に供与されている円借款(72.27億円)に継ぐもので、第Ⅰ期と同様、「顔の見える援助」と言われる「本邦技術活用条件(STEP: Special Terms for Economic Partnership)」の枠組みが適用される。日本のタイド援助(和訳例:ひもつき援助)となり、調達等の主契約者は本邦企業あるいはその子会社、本邦企業が主体となったJVである必要がある。地球観測衛星1基(衛星開発技術及び衛星観測データ利用技術に関する人材育成支援等を含む)の調達や、付帯施設の整備を行うとともに、各施設で衛星観測データを利用する人材育成なども支援する。気候変動対策に資する3つの事業効果(気候変動対策 ・土地利用・植生等変化の把握、CO2吸収量の測定に資する情報の提供、海岸線、河川流域の変位モニタリングによる地盤沈下等の監視)を想定している。衛星1号機の軌道上試験完了時をもって事業を完了するとしている(2023年12月予定)。
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