ナノ水滴が生む新種の氷!岡山大ら、氷核形成の謎に迫る
発表日:2024.11.27
岡山大学異分野基礎科学研究所と中国浙江大学の研究グループは、ナノスケールの水滴が凍る過程を計算機シミュレーションで詳細に調査し、正二十面体形や五方両錐形の氷の微結晶が一定の割合で生じることを発見した。この研究成果は、雲の中で氷核が生じるメカニズムを解明する手掛かりとなり、人工雨を降らせるための発核剤の分子設計にも寄与する可能性がある。──雪の結晶には六角形のものだけでなく、さまざまなイレギュラーな形のものが存在する。その中でも、2つの雪片が70°の角度でくっついた双晶と呼ばれる結晶の形成メカニズムは長らく議論の的となっていた。雲の中で生じる氷核は非常に小さく、通常目にする氷や雪とは異なる形状を持つことがあるため、その形成過程を明らかにすることは重要である。──研究グループは、ナノメートルサイズの水滴が凍る過程を計算機シミュレーションで詳しく調べた。その結果、70ºの角度を持つ五方両錐形や正二十面体形の氷の粒が一定の割合で生じることが確認された。この発見は、雲の中で氷核が生じるメカニズムを解明する手掛かりとなる。さらに、これらの微結晶の形成は、人工雨を降らせる際に雲に散布する発核剤の分子設計にも役立つ可能性がある。──本研究の成果は、雲の中で氷核が生じるメカニズムを解明するための重要な知見を提供するものである。今後、さらに詳細なシミュレーションや実験を通じて、氷核形成のプロセスをより深く理解し、人工雨の技術開発に貢献することが期待される。