スウェーデンエネルギー庁は、船体へのフジツボ類付着を防ぐ塗料添加剤の研究用に796万5000スウェーデンクローネをI-Tech社に融資した。融資の目的はその技術の検証と有効性確認により、できるだけ早く商業化できるようにすることである。この添加剤は、フジツボを殺さず、その行動を変えることで付着を防止するもの。フジツボなどの甲殻類が船体に付着すると燃費が悪化し、燃料消費量は倍増することもある。この添加剤を使うことで、化石燃料の消費を減らし、大量のエネルギー消費という海運業界にとって大きな問題の一つを改善できる。また、従来の添加剤では船舶一艘の防汚に3~4トンの酸化銅が必要であるが、この添加剤は数キログラムで十分な効果があり、重金属の大量使用も回避できるという。海洋環境保護と化石燃料消費削減の面で大きなメリットがあるこの製品はチャルマース工科大学の研究プロジェクトから生まれたもので、I-Tech社もこのプロジェクトを機に2000年に設立された。