ドイツ連邦環境省・交通省は、連邦海運・水路庁(BSH)と共に、北海の洋上風力発電試験施設アルファ・ヴェントゥスで実施された環境影響に関する調査結果を発表した。この調査は、洋上風力発電施設が、魚類や海鳥、海洋哺乳類、水中の騒音等を含めた海洋環境に及ぼす影響を5年かけて調べたもので、連邦環境省は、ドイツにおいて環境に負荷を与えない洋上風力発電の開発は可能だとし、今後開発を進めるとともに、北海における自然や生息地へ与える具体的影響について引き続き研究を続けるとしている。調査からは様々な結果が報告されている。たとえば、施設内海底では底引き網漁を中止したことで魚類の種数が増加しているが、渡り鳥に関してはさらなる調査が必要だという。BSHは今後、洋上計画の認可・管理の管轄官庁として、自然および環境に配慮した洋上風力発電の開発に対する、科学的根拠に基づいたガイドラインを策定する。この発表と同時に開催される国際会議では、11か国から250名の研究者や産業界・環境団体代表等が参加し、この研究結果について議論する。