フランス政府は、パリ近郊のサクレー台地に自然・農業・森林保護区を設置する政令を、2013年12月31日付官報で発表した。これによりサクレー台地のほぼ90%(2400ヘクタール以上)が保護区となり、環境的にも景観的にも豊かな農地が整備事業のために失われることはなくなった。今後は科学キャンパス計画を担当するサクレー台地開発公社が、同台地における農業や森林管理、自然の区域や景観の保全・有効利用に役立つ事業計画を策定することになる。計画の策定にあたっては、環境にも住民の健康にも良い「有機栽培」や「短い流通経路」を奨励するなど意欲的な計画の実現に向け、自治体や利害関係者との協議を実施していくという。今回の政令発表に際し、デュフロ地域間平等・住宅大臣、マルタン環境・持続可能な開発・エネルギー大臣、ル・フォル農業・農産食品業・林業大臣は、パリ大都市圏の中心に近いサクレー台地保全のために何十年も活動を続けてきた組織や個人の活動と粘り強さに敬意を表した。