アメリカエネルギー省(DOE)は、石炭火力発電所のCO2排出を削減する、世界最大の燃焼後炭素回収プロジェクトの建設が始まったと発表した。これはペトラノバ・プロジェクトと呼ばれ、テキサス州で現在稼働中の発電所からCO2を回収して地中に貯留する。プロジェクトが完成すれば、年間140万トンのCO2が回収できるという。回収したCO2は圧縮し、パイプラインで80マイル離れた老朽油田へ輸送する。そこでCO2を地中に注入し、通常では届かない石油の採掘に使ったのち、地下の油田に安全に永久貯留するという。ペトラノバ・プロジェクトでは、過去3年間の試験運転に使用したプロセスを使って、CO2の約90%を回収することができるという。この回収率であれば、石炭火力発電でも温室効果ガスの排出量は従来の天然ガス火力発電よりも大幅に少ない。プロジェクトはNRG Energy社とJX Nippon社の協力で実施され、DOEは1億6700万ドルを提供している。