イギリスのエクセター大学は、自然環境研究会議(NERC)、環境・食糧・農村地域省(Defra)等とともに、生態系サービスと自然の価値について国民の意見を調査する全国規模の国民対話イベントプロジェクトを実施した。イベントは、バーミンガム、エクセター、グラスゴーの各都市で計9回、最終回はロンドンで開かれ、各都市や政府・地方自治体、学界、NGO等から様々な代表者らが参加した。プロジェクトの報告書によると、国民は自然環境について、文化面や健康面での幅広い価値(家族や友人との交流、運動、心の安定等の場)を、経済面での重要性と同様に重要な要素と捉えており、無尽蔵ではない自然環境の保全を重視していることが明らかになった。自然環境に関する意思決定においては、地域社会がこれまで以上に積極的に関与することや、長期的な国民の利益を優先させることが必要であるとし、金銭的・商業的利益に動かされる決定にはリスクがあると認識しているという。調査結果は自然環境の管理に関する政策・意思決定に役立てられる。