経済協力開発機構(OECD)は、41か国の6つの経済部門をまたがりエネルギー使用に由来するCO2排出に対する実効炭素価格(ECR)に関する新データを公表した。それによると、調査対象のすべての部門と国の平均でECRはCO2の1トンあたり14.4ユーロに過ぎず、実際の気候コストの最小推定値(30ユーロ)にすら達していないという。報告書では、排出単位あたりのECRと炭素価格の最小推定値との差をパーセントで表す「炭素価格付けギャップ」という新指標を導入。現在の炭素価格付けギャップは41か国の平均で80.1%だが、調査対象のすべての国が炭素価格と適用範囲に関して上位半分の国と同水準に達した場合には53.1%に縮まると予測された。ここから、OECDは世界全体での炭素価格を引き上げる共同の取組が著しい効果を生むと指摘した。なお、ECRはエネルギー使用税、炭素税、取引可能な排出許可の価格の合計で、現在のECRの93.1%はエネルギー使用税、1.3%は炭素税、5.6%は排出量取引制度が占めているという。