欧州委員会は、国際民間航空機関(ICAO)による国際航空からのCO2排出量安定化合意を受け、航空部門からの排出削減に取り組むため欧州連合(EU)域内排出量取引制度(ETS)を改正すると公表した。EUは、2016年のICAOによる市場メカニズムを活用した世界的な排出削減制度(GMBM)構築をリードした。GMBMは各航空会社が国際便の年間CO2排出量を監視・報告し、2020年の排出量を超える部分を相殺する制度である。EUの航空部門がEU気候目標に貢献し、ICAOのGMBMを円滑に実施するにはETSの改正が必要で、欧州委員会は、現在の地理的範囲を維持し、欧州経済領域内の空港間の飛行を対象とすることを提案している。この改正案は、欧州議会と欧州理事会の審議を経て2017年中に決定される見込み。ETSの対象となる航空会社は、2013~16年にCO2の排出を6500万トン以上削減した。GMBMの詳細は2018年に確定し、2021年から実施される見込みで、排出データの収集は2019年から開始される。