フィンランド環境研究所(SYKE)とフィンランド自然資源研究所(Luke)は、フィンランドの生物多様性に関する国家戦略と行動計画の実現状況を共同で検証した。これまで105の施策を通じて取り組みが行われてきたが、絶滅危惧種の数とその生息地が増え続けているため、目標はまだ達成されていない。しかし変化の兆しは表れており、将来、生物多様性の減少を食い止めることは可能であると報告した。自然環境の悪化に歯止めをかけるためには、効果的な法整備に加えて、より強力な経済的舵取りが必要であり、環境にとって有害な補助金は廃止するか、生物多様性を高めるインセンティブに変えていく必要がある。将来的には、自然への影響を公共調達の基準の一つにすべきであり、国家経済のレベルでは国内総生産の計算に自然資本の変化を含めるのが望ましく、それにより、種、遺伝資源、生態系といった見過ごされがちな自然基盤が意思決定の際に考慮されるようにする。