国連環境計画(UNEP)は、アルバニアの海岸浸食の状況と、それに対応するためにラグーン(潟湖)が果たしている役割を紹介した。アルバニアは、ヨーロッパで最も海岸浸食の被害を受けている国の一つであり、海岸線の約3分の1が波によって浸食されている。そして、気候変動の影響による高潮と海面上昇により、この問題は年々悪化している。ラグーンは多数の鳥類をはじめとする野生生物の生息地になるだけでなく、海岸浸食に対する自然のバリアとしての役割を果たしている。同国は、UNEPと地球環境ファシリティー(GEF)の支援を受けて、ラグーンと海の間にできた砂丘に沿って植林を行い、植生を回復させることでラグーンが浸食に耐える能力を強化するよう取り組んでいる。調査によれば、沿岸の生態系を基にした洪水対策は、防潮堤のような人工的な構造物よりも波高を下げるための費用対効果が2~5倍高いことが明らかになっている。