国連環境計画(UNEP)は、2021年6月5日の「世界環境デー」を皮切りに開始した「国連生態系回復の10年」の取り組みについて、詳細を紹介した。気候変動、自然の喪失や汚染などは自然を破壊し、100万もの種が消滅する恐れがあるが、人類には今すぐ行動すれば自然破壊を食い止め、陸と海を回復させる力と知識がある。同取り組みは国連機関、政府、企業、開発銀行、非政府組織、市民社会グループなど90以上のパートナーが署名しており、森林や農地、河川や湖沼だけでなく、泥炭地、山岳地帯、放牧地、海洋などについても認識を高め、行動を起こしている。活動例としては、アマゾンに水を供給する100万ヘクタールの高地熱帯林の保護と回復、エジプトとヨルダンの土壌浸食の回復と在来植物の再生などがある。同取り組みには何百万人もの人々が参加し、強力なフレームワークが構築されているが、十分な資金が投入され、効果的に実施された場合にのみ、生態系回復の大きな可能性を実現することができる。