フィンランド環境研究所(SYKE)は、海の自然に大きな影響を与えずに、洋上風力発電を建設できるエリアを示す研究結果を紹介した。2035年までにカーボンニュートラルになるという同国の目標を達成するためには、風力発電などの持続可能なエネルギーを追加する必要があるが、陸地に大規模な風力発電所を設置するのは難しく、洋上の設置に目が向けられている。しかし洋上風力発電は、同国が力を入れている生物多様性の保護に反する可能性がある。そのため、他の産業や人々、海の自然に大きな影響を与えずに、収益性の高い風力発電を行うことができる海域を特定すべく、収益性を建設から生産、廃炉に至るまでのライフサイクル全体で評価した。また、世界最高水準の水中自然データと、生態学に基づいた土地利用計画のために設計されたソフトウェアを用いて、風力発電の配置を行った。同研究の革新的な点は、自然、社会、経済を同時に考慮したことである。