フィンランド環境研究所(SYKE)は、気候変動がバルト海に及ぼす影響に関する評価の内容を紹介した。これは、2010年から2021年までに発表された科学文献をまとめ、科学者の国際チームが、将来の予測と研究の潜在的な不確実性を評価したものである。バルト海の生態系に関わる評価はすべてフィンランド人によって行われ、生態系の機能や種に対する気候変動の影響について、250以上の研究に目を通した。気候変動はバルト海の水温、氷の状態、酸素濃度に影響を与え、これらはさらに生態系への影響につながる。富栄養化の影響も懸念され、陸地から流れ出る栄養塩の量が増加し、酸素不足が富栄養化の悪循環を加速させる。しかし、バルト海では、気候変動よりも直接的な人間活動の影響が大きいことが分かっていて、バルト海諸国が対策プログラムを実施し、栄養塩の流出を計画通りに削減すれば、2100年までにバルト海の状態は大きく改善されると予想される。