ドイツ連邦環境省は、ダイムラー社の商用バンの電気自動車(EV)50台を用いてベルリンで実施される実証試験に対し、900万ユーロを助成すると発表した。この実証試験は、日常的な配送業務におけるEVの性能を実証するもので、複数の輸送会社が複数の地区で実施する。市街地における配送業務は、移動距離が短く、頻繁に停止と発進を繰り返すため、EVの利用に最適であり、特にブレーキ時のエネルギーを有効利用できる回生機能は、市街地での走行において重要な利点とされる。同省のハイネン・エッサー政務次官は、「電気自動車は、CO2を排出しないだけでなく、騒音もなく、有害物質の排出もない。市街地など人口密集地での利用に有利である」と述べた。今回の実証試験では、車両の充電1回あたりの走行可能距離は130kmであり、最高速度は時速80kmに制限されている。輸送会社にとっては、環境への貢献とともに経費削減も重要な要素となるが、EVによる配送は、従来車に比べて「燃料」にあたる費用が大幅に抑えられることが利点という。