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 生態系改変によるバイオ燃料用作物の栽培は、地球温暖化抑制のために逆効果

発表日:2008.02.07


  ミネソタ大学と自然保護団体「ネイチャー・コンサーバンシー」の研究グループは、土地本来の生態系を改変してバイオ燃料用作物を栽培することは、むしろ二酸化炭素排出量を増加させ、地球温暖化を加速させることになると発表した。熱帯雨林や泥炭地、サバンナ、草地などを開墾して、バイオエタノール用のトウモロコシやサトウキビ、あるいはバイオディーゼル用のヤシや大豆などを栽培すると、植物や土壌中に蓄積されていた炭素が二酸化炭素として大気中に放出される。こうして失われる炭素蓄積量は、化石燃料の代わりにバイオ燃料を使用することで得られる1年あたりの排出削減量に対して、17~420倍にもなるという。「こうした問題が生じるのは、バイオ燃料用作物の栽培が奨励される一方で、生態系保全による炭素蓄積の効果が正当に評価されていないため」と著者は指摘。燃料による地球温暖化への影響を評価する際には、生態系保全による効果も含めて考えるべきと主張している。なお、バイオ燃料の中でも生態系の改変を伴わないもの、例えば、農林業における廃棄物や、農耕に適さない自然草地から得られるものは、生態系への影響がなく、地球温暖化の抑制にも効果が期待できるという。

情報源 ミネソタ大学 ニュースリリース ネイチャー・コンサーバンシー プレスリリース
国・地域 アメリカ
機関 ミネソタ大学 ネイチャー・コンサーバンシー
分野 地球環境 自然環境
キーワード 生態系 | 地球温暖化 | バイオ燃料 | 作物 | ミネソタ大学 | ネイチャー・コンサーバンシー
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