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 温暖化により高山植物の開花期間が減少、花粉媒介生物に打撃とアメリカ研究者らが報告

発表日:2011.06.16


  アメリカ・メリーランド大学のイノウエ教授らのグループは、ロッキー山脈南部に生育する高山植物が、温暖化の影響により夏季半ばで開花期の終わりを迎えているとの研究報告を発表した。報告によると、ロッキー山脈南部の高山地帯では、温暖化により初夏の気温が上昇、湿度も低下する傾向にある。この水分量の変化が山麓に咲く高山植物の開花期間に影響し、結果として、本来であれば花々の咲きそろう夏季半ばに、開花している花の総量が減少するという事態を招いているという。エルク山脈(コロラド州)のような高山でも盛夏の気温上昇がみられることから、開花期間の減少は生態系全体に広がっているとみられる。また、花の減少は、その範囲の大小にかかわらず、マルハナバチやハチドリなど夏季を通じ花粉や花蜜を餌とする生物に影響し、さらには、受粉をこうした生物の媒介に頼る植物全体の減少も招くと考えられる。高山の生態系で相互に依存している生物にとって、気温の上昇はまさに死活問題である。

情報源 アメリカ国立科学財団(NSF) プレスリリース
国・地域 アメリカ
機関 アメリカ国立科学財団(NSF)
分野 地球環境 自然環境
キーワード アメリカ国立科学財団 | NSF | マルハナバチ | 温暖化 | 開花時期 | 媒介 | 高山植物 | ロッキー山脈 | ハチドリ | 受粉
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