日米の科学者による研究チームは、福島第一原子力発電所から事故後四ヶ月間に海洋に放出された放射性物質に関する分析結果を発表した。これによると、海洋に放出された放射性物質は、原子炉等の冷却に使用した海水・淡水の複雑な放出パターン、地下水の作用等の要因により、事故一ヶ月後の2011年4月にピークに達した。5月には、海洋での混合や発電所で発生する放射性物質の減少により、1000分の1に減少したものの、7月でも前年の1万倍と依然として高かったことがわかった。研究チームは、放出された放射性物質の濃度は、人体や海洋生物に直接脅威を及ぼすレベルではないとする一方で、海底堆積物に蓄積された放射性物質の影響は十分に解明されておらず、特に、堆積物や地下水に蓄積されたセシウム137(半減期30年)に関しては、今後数十年にわたって注意していく必要があるという。現在、国際共同研究により、放出されたさまざまな放射性物質の広範囲にわたる測定が進行中であるが、原発事故の海洋への影響を評価するための十分な測定結果が得られるまでには、しばらく時間がかかるという。
情報源 | アメリカ国立科学財団(NSF) プレスリリース |
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国・地域 | アメリカ |
機関 | アメリカ国立科学財団(NSF) |
分野 | 地球環境 健康・化学物質 自然環境 |
キーワード | 海洋生物 | アメリカ国立科学財団 | NSF | 地下水 | 海洋汚染 | 堆積物 | 放射性物質 | 福島第一原子力発電所 | 東日本大震災 | セシウム |
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