広島大学と(独)産業技術総合研究所は、天然の硫化銅鉱物コルーサイトに倣った、レアメタルレスで低毒性元素が主成分の熱電変換材料の開発に成功したと発表した。熱電変換材料を用いた熱電発電は、化石燃料を必要としないため地球温暖化ガスを排出せず、さらに、機械的な可動部がないため、長寿命・静音・無振動という長所も併せ持つ。熱電発電技術を用いることで、従来捨てられていた未利用熱エネルギーや自然熱エネルギーから有用性の高い電気エネルギーを生み出すことができる。特に自動車から放出される膨大な量の中温廃熱(約400℃)の利用が求められているが、その温度域で良い熱電変換性能を示すテルル化鉛は、有毒元素である鉛とレアメタルであるテルルを含んでいるため、低環境負荷な元素を用いた熱電変換材料の開発が急務となっている。今回、銅、硫黄、スズを主成分としている人工鉱物コルーサイトが、400℃付近で高い熱電変換性能を示すことを発見。コルーサイトは低毒性で地殻埋蔵量の多い元素を主成分とするため、熱電発電の大規模化に資すると期待されるという。
情報源 |
広島大学 報道発表
(独)産業技術総合研究所 研究成果 |
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機関 | 広島大学 (独)産業技術総合研究所 |
分野 |
地球環境 |
キーワード | 環境負荷 | レアメタル | 産業技術総合研究所 | 廃熱 | 広島大学 | 熱電変換 | 未利用熱 | コルーサイト | テルル |
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