環境省は、岩手県及び青森県で計画されている「(仮称)稲庭風力発電事業計画段階環境配慮書」について、平成28年1月22日付けで経済産業大臣に対し環境大臣意見を提出した。同事業は、インベナジー・ジャパン合同会社が、岩手県二戸市及び八幡平市、青森県三戸郡田子町において、最大で総出力180,000kWの風力発電所を設置するもの。事業実施想定区域及びその周辺は、自然環境の保全上重要な地域で、希少猛禽類の生息地やガン・カモ類等の渡り経路となっている可能性がある。また、事業実施想定区域には、他事業者による風力発電事業の環境影響評価手続きが実施中の区域等が含まれている。今回の環境大臣意見では、1)対象事業実施区域の設定にあたり、騒音等、風車の影、生態系、景観及び人と自然との触れ合いの活動の場に係る重大な環境影響が避けられない区域を除外すること、2)事業実施想定区域が重複する他事業者との情報共有・情報収集を行い、実現可能な事業の内容を検討した上でこれらの環境影響を回避又は極力低減すること、等を求めている。