三菱マテリアル(株)は、今後大幅な増加が見込まれるレアアース磁石のリサイクル需要に対応するため、レアアース回収精製技術を開発したと発表した。同社グループでは、エアコン、洗濯機、冷蔵庫等に用いられているモーターからのレアアース磁石の回収を一部の工場において実施している。レアアース磁石の回収・リサイクルは、希少資源の有効活用に繋がる。今回開発した技術は、乾式処理と湿式処理を組み合わせた工程を持つことによって、以下の特徴をもっており、廃家電から回収されるモーター内のローター(回転子)から高効率にレアアースを回収精製できる。1)消磁作業が不要で、ローターのままで処理が可能、2)フラックスとしてケイ酸ソーダを用いることで、大気中でも鉄合金が酸化することなく、レアアースと鉄をほぼ完全に分離可能、3)レアアース含有スラグは水に溶けやすいため、湿式工程でレアアースの全量を濃縮して回収することが可能。同社では今後、パイロット試験を実施し、将来的な事業化を検討していくという。