環境省は、平成28年度大気中水銀バックグラウンド濃度等のモニタリング調査結果を公表した。同省では、国連環境計画(UNEP)が取り組む国際的な水銀対策に役立てるため、国内の発生源による影響を直接受けない地点(バックグラウンド地点)である沖縄県の辺戸岬及び秋田県の男鹿半島において、水銀の大気中濃度等のモニタリングを実施している。平成28年度の調査の結果、大気中水銀濃度の年平均値は辺戸岬で1.7ngHg/m3、男鹿半島で1.6ngHg/m3となり、環境中の有害大気汚染物質による健康リスクの低減を図るための指針値(年平均値40ngHg/m3)を十分下回る値であった。また、降水中水銀濃度の年平均値は辺戸岬で6.6ngHg/L、男鹿半島で6.3ngHg/Lで、水銀に関する水道水の水質基準値である500ngHg/Lと比較すると、測定値は十分低い値となった。なお、平成28年度から降水中水銀濃度の分析手順が変更となり、従来の手順による測定値に比べ1.3~1.4倍程度高い値となっている。