東京大学、東京理科大学および名古屋大学の研究グループは、エアロゾル濃度予測に必要であるものの、これまで直接測定することやモデル計算が困難であったパラメータ「雨雲の過飽和度」の観測に成功したと発表した。大気中を漂う粒径1 μm程度よりも小さな塵「エアロゾル」は、地球の放射収支を変化させ、気候に影響を及ぼしている。降水領域内のエアロゾル鉛直輸送・除去(地表への沈着)を予測する上で、エアロゾルが雲粒化するときの「過飽和度」が重要な変数と見られている。同研究グループは、1)降水に含まれる「黒色炭素」粒子の追跡と地上観測結果の対比により、雨雲の「過飽和度」を推定する手法を開発し、2)東アジアの降水イベントについて過飽和度の観測データを取得することに成功した。また、3)独自の大気モデルによる感度実験により、全球的な黒色炭素エアロゾル濃度が、雨雲中の過飽和度の値に依存して2倍程度も変わりうることを示した。
情報源 |
東京大学大学院理学系研究科・理学部 プレスリリース
東京理科大学 プレスリリース 名古屋大学高等研究院 プレスリリース |
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機関 | 東京大学 東京理科大学 名古屋大学高等研究院 |
分野 |
大気環境 |
キーワード | 東京大学 | エアロゾル | 名古屋大学 | 東京理科大学 | 黒色炭素 | 過飽和度 | 放射収支 | 湿潤対流 | 雲粒化 |
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