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 東邦大、グリホサート耐性雑草の侵入・定着に警鐘

発表日:2020.12.18


  東邦大学は、グリホサート系除草剤への抵抗性(以下「GR」)を有する雑草の初期侵入と定着の実態を解明した。グリホサート系除草剤の普及に伴い、穀物等の輸出元ではGR雑草が多数発生しており、それらの種子が輸入穀物の中から検出される頻度が高まっている。同大学は、米国で難防除雑草として問題視されているGRのヒユ科ヒユ属植物オオホナガアオゲイトウ(GR A. palmeri)の移入や拡散の可能性を把握するために、日本の主要港湾14港における分布調査を行った。その結果、鹿島、水島および博多の3港でGR A. palmeriの生育が確認され、うち1港には数多くの個体が生育しており、4年間にわたりGR個体が安定して検出された。一方、米国農務省から提供された種子や、国内で過去に採取されたオオホナガアオゲイトウの種子を遺伝解析したところ、今回集中的に調査した港湾の種子は米国のものと遺伝的に似ていた。これまで国内のオオホナガアオゲイトウの分布が稀であること、畑雑草として問題になったことがないことを考慮すると、日本の港湾で独自にGR個体が進化するとは考えにくく、輸入穀物への混入由来であると考えられる。GR A. palmeriは10年も経たずに日本に移入し、定着に成功したと考えるべきであり、蔓延後の対策コスト・時間を抑える上で、侵入初期の検出、早期警戒等が不可欠であるという。

情報源 東邦大学 プレスリリース
機関 東邦大学 
分野 自然環境
キーワード 東邦大学 | 遺伝解析 | グリホサート系除草剤 | 難防除雑草 | オオホナガアオゲイトウ | 鹿島 | 水島 | 博多 | 米国農務省 | A. palmeri
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