大成建設(株)は、快適な室内環境を実現しながら消費するエネルギーをゼロにすることを目指した建物(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)の普及拡大をにらみ、「自然採光」による空間全体の明るさから照明を制御するシステムを開発した。従来のオフィスでは、執務者の机上面の照度に応じて照明を制御する仕組みを採用されており、自然採光の明るさや過剰な電力消費に配慮したものとはなっていなかった。同社は、自然採光を含む室内の光の量を計測し、被験者実験によって導出した「明るさの感覚値」を目安に室内照明の出力を制御し、光環境を維持する仕組みとなっている。自然採光の変化に対して出力を制御することで、年間約11%の省エネ効果が得られることが確認されている(同社シミュレーション値)。新築・改修を問わず、オフィスや病院などにも当該システムを積極的に提案していくという。