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 空き家問題のDXに迫る!都市大、予測マップ・デモ版を公開

発表日:2023.07.03


  東京都市大学・建築都市デザイン学部都市工学科の秋山准教授らの研究チームは、国勢調査や住宅・土地統計調査のデータ(以下「オープンデータ」)から空き家の空間分布を予測する技術を開発した。秋山准教授は、都市・地域のリアルな課題をデジタル空間に再現する技術(デジタルツイン)の研究に力を注いでいる。さまざまなデータセットを取り扱い、人工知能(AI)を用いた分析や、地理情報システム(GIS)などを駆使することで、多くの自治体の計画策定・対策立案を支援してきた。本研究は、空き家問題が深刻化しつつあるなか、未だ空き家調査の効率的(迅速・安価・継続的)な手法が確立されていないことをかんがみ、デザインされたもの。自治体はミクロスケールの時空間データ(マイクロジオデータ、MGD)を保有しているが、個人情報保護の観点からそれらの利用ハードルが高く、機械的な判読処理に適さないものも少なくない。そうしたことから、集計単位が統一されており、継続的に実施・公表されているオープンデータを活用した空き家分布推定の手法を研究している。予測スキームにおいては、ソースデータの特性を踏まえて、目的変数「空き家率」を定義し、各種統計から読み取れる数値(説明変数)による構造化を行い、汎用的な機械学習アルゴリズム(LightGBM)が「教師あり学習」で導出したモデルを使用する(予測期間:国勢調査年から8年後)。このモデルは国勢調査年の過去データを外挿することが可能で、住宅・土地統計調査において標本数が少なく掲載対象となっていない自治体(人口15,000人未満の町村)の予測値も出力できる。精度検証を行った結果、8年後の空き家率を予測する場合の相関係数は0.9026、平均誤差は1.96%となった。平成の大合併を考慮した改良等を加え、政府統計ミクロデータ(小地域スケール)を活用することで、さらなる高精度化が期待できるという。本成果は、秋山准教授がユニット長を兼務する同大学・総合研究所のデジタル都市空間情報研究開発ユニットの専用ウェブサイトで閲覧できる(発表:日本地理学会2023年日本地理学会春季学術大会)。

情報源 東京都市大学 トピックス一覧(プレスリリース)
機関 東京都市大学
分野 環境総合
キーワード GIS | オープンデータ | 機械学習 | 空き家 | デジタルツイン | マイクロジオデータ | 空き家率 | LightGBM | 教師あり学習 | 空家等対策の推進に関する特別措置法
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