国土交通省は、デジタル・トランスフォーメーション（DX）施策の方向性と重点領域を明示した「国土交通省DXビジョン」を策定した。これは、人口減少・少子高齢化による労働力不足、災害の激甚化、インフラの老朽化など、我が国が直面する社会課題に対応するため、データとデジタル技術を活用して柔軟かつ迅速な政策対応を可能にすることを目的としている。
主要キーワードである「DX（デジタル・トランスフォーメーション）」とは、デジタル技術を活用して業務やサービスの質を根本的に変革する取り組みであり、行政分野では政策立案や手続きの効率化、透明性の向上などが期待されている。国土交通省はこれまでにもDX推進本部を設置し、関連施策を進めてきたが、今回のビジョンでは、特に「データの徹底活用」と「オープンデータ化による国民還元」を中心に据えている。
本ビジョンでは、行政手続き等で得られるデータを政策立案に活用することに加え、国民に対してオープンデータとして提供することで、民間によるオープンイノベーションの促進を図る方針が示された。これにより、国土交通分野における新たな価値創出が期待される。今後は、所管業界との連携を強化しながら、DX施策の具体的な実装を進めるとしており、国土交通省はこのビジョンを羅針盤として、持続可能な社会の構築に向けたデジタル活用を加速させる構えである。なお、本ビジョンの詳細は、国土交通省の公式ウェブサイトにて公開されている。