神戸大学先端バイオ工学研究センターの蓮沼教授らは、島津製作所と協力して、「自律型実験システム(ANL)」を開発し、その有用性を実証した。ANLは、ロボットとAIを組み合わせて、実験の自動化と最適化を実現するシステムの概念である。バイオものづくり分野の研究では、多様な実験条件下で、大量のデータ収集・解析を繰り返す必要がある。研究者は膨大な時間と労力の節減を切望しており、ANLの実用化に対する期待が高まっている。──本研究では「柔軟性と拡張性を兼ね備えたANL」の開発を目指して、モジュール式の実験装置とベイズ最適化アルゴリズムを組み合わせ、培養・前処理・測定・分析・仮説生成までのプロセスを自動で実行する仕組みを考案した。新規ANLの有効性を検証した結果、実験結果に基づく最適組成の予測、自動実験、データ処理のサイクルを繰り返すことで、細胞増殖率と最大細胞密度が向上する最適な培地条件を特定できた。──このANLは食品、医薬、環境分野等での幅広いバイオものづくりに貢献することが期待される。今後、実験の自動実行やデータ解析の成果を積み上げることで、研究者の負担軽減はもとより、効率的な仮説構築の支援もできるようになると本成果の進展を見据えている(掲載誌:Scientific Reports)。
情報源 |
神戸大学 プレスリリース
島津製作所 プレスリリース |
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機関 | 神戸大学 島津製作所(株) |
分野 |
環境総合 |
キーワード | ロボット | バイオテクノロジー | AI | データ解析 | 細胞増殖 | 自律型実験システム | 実験自動化 | 仮説生成 | 培地最適化 | バイオデータ |
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