統計数理研究所(略称:統数研またはISM)は、2024年11月にデータ駆動科学の新学術創成やオープンイノベーションを推進する「バーチャルラボ」共創拠点形成事業を始動した。この事業は、産学官および国内外の研究者が分野・組織・国境の垣根を越えて協力し、集合知を活用した共創型研究プロジェクトの構築を目指すものである。AIやデータ科学の研究環境が急速に変化する中、世界の巨大プロジェクトと競争するためには、このような共創型研究が必要不可欠である。──今回、同事業の第一弾として4つのバーチャルラボが設立された。その一つ、統計的機械学習共創ラボでは、国内外の研究者が連携して統計的機械学習分野の挑戦的研究を展開する。また、諸科学統計数理ラボでは、若手研究者が主導し、様々な科学分野での統計手法を議論する場を提供する。さらにISM-MCCフロンティア材料設計拠点とJSRスマートケミストリーラボでは、マテリアルズインフォマティクスにおける機械学習プラットフォームの開発と新材料創製を推進する。──これらのラボは、バーチャルオフィスツールoViceを用いた「メタバース」空間上に設置され、研究者間の連携と共創を深めるための場を提供する。同研究所は、「バーチャルラボ」共創拠点形成事業を通じて、データ駆動科学における新分野創成のハブ機能を担い、持続可能な社会の実現に貢献することを目指すとしている。