東北大学と住友商事は、CO2とシリコン系産業廃棄物を同時に活用する「カーボンリサイクル型SiC(炭化ケイ素)合成技術」の社会実装に向けた共同プロジェクトを始動した。SiCは電気自動車や再生可能エネルギー機器に不可欠な次世代パワー半導体の材料であり、近年その需要が急増している。これまでのSiC製造プロセスは高温での処理を必要としていたため、CO2排出が大きな課題となっていた。両者(社)の技術コンセプトは、CO2を資源として再利用し、それと同時にシリコンスラッジの再資源化を図るというもの。東北大学は反応条件の最適化と高純度化を担い、住友商事は原料調達と市場開拓を担当する。なお、今回のプロジェクトは新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の支援を受け、中国電力大崎発電所内の実証拠点で予備試験等が始まっている。2028年までの3年間で、低コスト・低環境負荷・高性能という三拍子揃ったSiC製造モデルの確立を目指すという。──実証成果は、半導体業界にとどまらず、持続可能な素材産業の未来を切り拓く可能性を秘めている。"サーキュラーエコノミー型商材"の登場が今から楽しみである。
情報源 |
東北大学 プレスリリース
住友商事 ニュース |
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機関 | 東北大学 住友商事(株) |
分野 |
環境総合 |
キーワード | カーボンニュートラル | 炭化ケイ素 | サーキュラーエコノミー | 次世代パワー半導体 | CO₂リサイクル | シリコンスラッジ | EV材料革新 | 高純度SiC | 産業廃棄物再資源化 | NEDO実証試験 |
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