文部科学省 科学技術・学術政策研究所(NISTEP)は、専門家が注目する未来の科学技術に関するアンケート調査の分析結果と、それを可視化・分類する新たな分析システム「ST PANGEA」を2025年6月に公表した。これは、2020年度から2023年度にかけて実施された3回の調査結果を統合・俯瞰的に分析したものである。
本調査は、NISTEPが運用する専門家ネットワークを対象に、将来実現が期待される科学技術(注目科学技術)や、現時点では実現可能性が不明ながらも社会的インパクトが大きい技術(兆し科学技術)について、概要・実現時期・研究段階・必要要素などを自由記述形式で収集した。これらのデータは、学術論文や特許とは異なる「未来に関する専門家の見解」として、政策形成や研究戦略に資する情報と位置づけられている。──分析にあたっては、科研費研究課題データ(約10万件)をベースに研究分野マップを構築し、アンケート回答を文書ベクトル化・次元圧縮(UMAP)してマップ上にプロット。さらに、KMeans++によるクラスタリングとLinear SVCによる分類器を用いて、65分野に分類・分析を行った。
注目科学技術の分布傾向としては、特に「データサイエンス・マシンインテリジェンス」「理化学」「分子生物学・細胞生物学」分野に関心が集中しており、AI、量子計算、脱炭素技術、再生医療などが多く言及された。また、社会科学や情報学分野は複数の専門分野から横断的に注目されていることが明らかとなった。
環境分野においては、クラスタ番号31「環境化学」が特に注目されており、微生物・CO₂・バイオマス・プラスチック・リサイクルなどのキーワードが頻出した。これらは理化学分野との境界領域に位置し、環境技術の応用と融合が進んでいる傾向が見られる。加えて、クラスタ番号14「気候」や50「農業・森林」、51「生物生態・多様性」などもマッピングされており、気候変動・生態系保全・資源循環といった政策的に重要なテーマが複数の分野にまたがって注目されている。
| 情報源 |
NISTEP 調査研究成果公表
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| 機関 | 科学技術・学術政策研究所(NISTEP) |
| 分野 |
環境総合 |
| キーワード | 科学技術予測 | ホライズン・スキャニング | 注目科学技術 | 兆し科学技術 | 文書ベクトル化 | UMAP | クラスタリング | 分類器 | ST PANGEA | 科研費課題 |
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