本資料は、経済産業省資源エネルギー庁が国内のエネルギー政策全体を国民向けに整理し、エネルギー安全保障、経済効率性、環境適合、そして脱炭素化に向けた政府方針を理解しやすく示すことを目的として作成した概説資料である。政策判断の背景となる需給構造、化石燃料依存、温室効果ガス排出、再生可能エネルギーの導入状況、さらにはGXに関連する技術選択肢などを包括的に提示し、将来のエネルギー構造を俯瞰できるよう構成されている。
本資料では、安全性を前提に安定供給・経済効率性・環境適合を同時に追求するS+3Eの大原則を据え、電力需要の増加見通しや一次エネルギー構成の変化を体系的に整理している。人口減少下にありながら、データセンターや半導体工場の増設などにより電力需要が増加に転じている点を示し、従来前提では捉えきれなかった需給逼迫リスクの顕在化を説明している。
また、日本が抱える化石燃料輸入依存という構造的制約を可視化し、原油・LNG・石炭の海外依存度がほぼ100%に達している現状を示している。さらに、リチウム・コバルト・ニッケルといった電動化の基盤鉱物資源もほぼ全量を輸入に頼る状況を整理し、燃料・資源価格が電気料金に直接影響する構造を理解する材料として提示している。 温室効果ガス排出量については、2013年度比で減少が進む一方、エネルギー起源CO₂が依然として全体の約86%を占めると説明されている。電化・水素化・省エネ強化の三つの方向性を通じて、電力部門の脱炭素化が他部門の排出削減に波及する構造を示している。再生可能エネルギーについては、太陽光導入容量が世界的に高い位置づけにある一方で、変動電源の調整力確保や系統強化の必要性を明確にしている。
さらに、浮体式洋上風力、ペロブスカイト太陽電池、水素・アンモニア技術、CCUS・カーボンリサイクル、合成燃料などGXに関連する技術群を紹介し、2050年カーボンニュートラル達成に向けた社会実装の方向性を示している。