国土交通省は「グリーンインフラ推進戦略2030―グリーンインフラの活用が当たり前の社会―」を公表した。
<本資料の構成と記述の整理>
本戦略は、グリーンインフラ(GI)を“自然の多様な機能を活用する社会資本”として横断的に定義し、都市・河川・沿岸・道路・港湾・森林・農地までを俯瞰する総花的リファレンスである。章立ては社会課題と定義、分野横断施策、個別分野の実装、進捗管理(ロードマップ)、他省庁連携、付録(用語・事例・制度)となっており、政策・制度・評価・事例を一冊で引ける実務ハンドブックの体裁を備えている。
2030年に「グリーンインフラの活用が当たり前の社会」をめざすという国土交通行政の意図を、施策・制度・指標・事例の“束”として見せつつ、官民連携プラットフォーム(2020年設立、会員約2,150)、グリーンインフラ大賞、TSUNAG認定、SEGES評価、産業展・展示(GREEN×EXPO 2027 連動)など、普及啓発に係るさまざまな取り組みから資金調達・評価の受け皿までを列挙し、可視化した。
技術・実装の面では、雨庭、屋上・壁面緑化、街路樹、田んぼダム、海岸防災林、砂浜の順応的管理、藻場・干潟などのブルーインフラといったメニューを、治水・減災、生物多様性、暑熱緩和、観光・景観、都市再生、脱炭素(ブルーカーボン含む)という社会価値と接続する記述が丁寧である。併せてPPP/PFIやPark-PFI、ミズベリング等の官民共創スキーム、横浜市の公園愛護会のような市民協働の実務例まで触れており、企画・設計・管理の現場感に配慮がある。
評価・進捗管理については、KPIやナラティブを併用する定量・定性評価、経済・社会・不動産価値の計測、SEGESなど既存認証の活用、ブルーカーボンのCO₂吸収量見積もり、ロードマップ上の数値目標(例:都市公園面積、人単位の緑地量、ブルーカーボン100万t等)を提示し、標準化(ISO化)やファイナンス(GB/GL/SLB/SLL、J-クレジット)にも踏み込む。費用便益・LCCを包括的に“語り切る”段には至っていないが、予防保全やストック適正化の文脈を敷き、今後の指標整備・人材育成・資金循環の課題を明確にした。
総じて、本戦略は「定義→制度→事例→指標→資金→国際標準」という導線で“GIは政策横断の共通言語である”ことを示す政策カタログである。自治体・デベロッパー・コンサル・NPOが同じ地図を共有するための索引として強く機能するものとなっている。
| 情報源 |
国土交通省 報道発表資料
|
|---|---|
| 機関 | 国土交通省 |
| 分野 |
環境総合 |
| キーワード | 都市緑化 | 費用対効果 | 海岸防災林 | ブルーカーボン | 官民連携 | ブルーインフラ | 田んぼダム | 雨庭 | 自然基盤解決策(NbS) | 予防保全 |
| 関連ニュース |
|
