東北大学金属材料研究所は、平成22年度に新設した「低炭素社会基盤材料融合研究センター」が中心となり、低炭素社会の実現に資する新たな基礎・応用研究を本格始動したと発表した。同センターは、金属材料研究所の3つの重点分野(社会基盤材料分野、エネルギー材料分野、エレクトロニクス材料分野)にまたがる融合研究により、省エネルギーから新エネルギーまでの幅広い基盤材料融合研究を進めるため設置された組織。今回、具体的な研究として、1)水素化物中での水素の存在状態の根源的解明による資源性に優れたエネルギー貯蔵材料の設計、2)新しい半導体材料の創製や薄膜成長・バンドギャップ制御技術開発による省エネ半導体素子や太陽電池の高効率化、3)省エネルギー社会に資する車両軽量化などを目指した高強度鉄鋼材料創製の新原理の追求、といったテーマに着手した。同センターは、今後も、産官学にわたる連携の幅を広げていく予定という。