鹿島建設(株)は、VOC(有機塩素化合物)による汚染土壌・地下水向けに、オーダーメイド型の浄化工法を新開発したと発表した。近年、土壌汚染対策法の改正等により、低コストでVOCを原位置浄化する「嫌気バイオ工法」が注目されている。この工法は、汚染場所に栄養剤を注入し、嫌気状態(酸素の無い状態)で微生物による分解作用を活発化させることで、浄化を促進するもの。同社は今回、同工法を発展させ、汚染状況(浄化目的、汚染濃度、汚染範囲、地盤、地下水流速など)に応じて最適な栄養剤を用いる工法を開発した。この新工法では、ドレッシングなどに使われるエマルジョン油、乳製品、コーヒーから抽出した成分など、様々な化合物を混ぜ合わせて最適な栄養剤を調合する。また、独自開発したエマルジョン油は、従来にないナノサイズの粒径を実現し、地盤への優れた浸透性を可能にしている。同工法と様々な施工技術(土壌改良など)を組み合わせることにより、完全オーダーメイド型の嫌気バイオ工法を実現でき、従来工法に比べて工事費全体で約5~20%のコストを削減できるという。