環境省と(独)国立環境研究所は、2009年度(平成21年度)の温室効果ガス排出量(速報値)を、12億900万トンと公表した。これは、京都議定書における基準年(CO2、CH4、N2Oは1990年度、HFCs、PFCs、SF6は1995年)の総排出量と比べると、4.1%の減少である。また、2008年度と比べると、産業部門をはじめとする各部門の二酸化炭素排出量が減少したことなどにより、5.7%減少した。2008年度と比べて排出量が減少した原因としては、2008年10月に発生した金融危機の影響による景気後退に伴う産業部門をはじめとする各部門のエネルギー需要の減少が2009年度も続いたこと、原子力発電所の設備利用率の上昇等に伴い電力排出原単位が改善したことなどが挙げられるという。なお、4.1%減少という数値は、森林吸収源対策や京都メカニズムからのクレジットを含むものではないため、この数値と、我が国の削減目標であるマイナス6%とを直接対比することはできない。