環境省と(独)国立環境研究所は、2008年度(平成20年度)の温室効果ガス排出量(確定値)を公表した。同省は、地球温暖化対策の推進に関する法律等に基づき、毎年、我が国における温室効果ガスの排出量及び吸収量を算定し、公表している。2008年度の温室効果ガスの総排出量は、12億8,200万トンで、これは京都議定書の規定による基準年(CO2、CH4、N2Oは1990年度、HFCs、PFCs、SF6は1995年)の総排出量と比較すると1.6%上回る値であった。前年度の総排出量と比べると、エネルギー起源二酸化炭素について産業部門をはじめとする各部門の排出量が減少したことなどで6.4%減少した。排出量の減少の原因は、金融危機の影響による年度後半の急激な景気後退に伴う、産業部門をはじめとする各部門のエネルギー需要の減少などが挙げられる。なお、2008年度の京都議定書に基づく吸収源活動の排出・吸収量は、約4,400万トン(森林4,330万トン、都市緑化等70万トン)の吸収となった。これは、基準年総排出量の約3.5%に相当する。