環境省と(独)国立環境研究所は、2008年度(平成20年度)の温室効果ガス排出量(速報値)を、12億8,600万トンと公表した。これは、京都議定書における基準年(CO2、CH4、N2Oは1990年度、HFCs、PFCs、SF6は1995年)と比べると、総排出量としては1.9%上回る結果である。また、2007年度と比べると、エネルギー起源二酸化炭素について産業部門をはじめとする各部門の排出量が減少したことなどにより、総排出量としては6.2%減少した。2007年度と比べて排出量が減少した原因としては、金融危機の影響による年度後半の急激な景気後退に伴う、産業部門をはじめとする各部門のエネルギー需要の減少などが挙げられる。また、原子力発電所の利用率が長期停止の影響を受けていない時の水準(1998年度の実績値)にあったと仮定して総排出量を推計すると、2008年度の総排出量は基準年比で3.1%減になるという。