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 (独)国立環境研究所、特別研究成果報告書を公表(環境化学物質のエピジェネティクス作用関連)

発表日:2011.11.24


  (独)国立環境研究所は、特別研究「エピジェネティクス作用を包括したトキシコゲノミクスによる環境化学物質の影響評価法開発のための研究」(研究代表者:野原恵子)の成果報告書を公表した。エピジェネティクスは、遺伝子の働きがDNAの塩基配列に依存するのではなく、主としてDNA塩基へのメチル化修飾や、DNAが巻きついているヒストンタンパクへのメチル化、アセチル化修飾などの、いわゆる「エピジェネティック」な修飾によって調節されるという仕組み。同研究では、主な対象化学物質として、現在世界各国で発がんなどの大きな健康被害をもたらし、エピジェネティクスの関与が示唆されている無機ヒ素をとりあげ、その長期曝露によるグローバルなメチル化DNA量の変動や各種関連因子との関係を明らかにした。また、無機ヒ素の胎児期曝露や長期曝露について、発がん等生体影響・遺伝子発現変化・エピジェネティック変化を、各種手法を用いて解析し、それらの因果関係や性差、臓器特異性についての知見を得た。さらに、ヒ素によるエピジェネティック変化の仕組みとして、DNA損傷との関連を見いだした。今回の研究結果は、環境化学物質の作用の仕組みを解明し生体影響評価を進めていく上で、重要な知見を提供するものといえるという。

情報源 (独)国立環境研究所 記者発表
機関 (独)国立環境研究所
分野 健康・化学物質
キーワード 国立環境研究所 | 曝露 | 遺伝子 | 影響評価 | 胎児 | DNA | 環境化学物質 | エピジェネティクス | トキシコゲノミクス | 無機ヒ素
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