トラスコ中山の挑戦、7万5千超アイテムのCO2排出量をカタログに併記
発表日:2024.05.23
企業のESG(環境・社会・ガバナンス)に関する取り組みや、その成果(サスティナビリティ情報)を透明性を持って公開する仕組みが標準化されつつある。事業活動に伴う環境影響を理解し、客観的に評価する上で指標となるのはGHG排出量であるが、スコープ1およびスコープ2排出量(直接および間接エネルギー使用に起因する排出)に比べ、バリューチェーン全体において間接的に発生する「スコープ3」排出量の算定は極めて難しい。―――機械工具の卸売業であるトラスコ中山(株)は、さまざまな工場用副資材(プロツール)の製造時CO2を多角的に評価し、2025年度版の総合カタログ「トラスコ オレンジブック」に併記すると発表した。同社は全国28か所の物流センターを完備し、豊富な在庫・品揃えを武器に、モノづくり現場における資材調達の利便性向上を追求している。「トラスコ オレンジブック」ならびにプロツール検索サイト「トラスコ オレンジブック.Com」は販売促進のみならず、顧客と製造元(調達先)を橋渡しする媒体として大きく貢献している。2025年版の「トラスコ オレンジブック」に掲載される取扱い商品は40万アイテムにおよぶが、そのうち代表商品7万5,382アイテムの製造時のCO2排出量を算出して、掲載する予定だ。各商品の「スコープ3排出量」算定に当たっては、製造元の提供情報、booost technologies社のツールを用いた算定結果に加え、トラスコ中山がLCAデータベース「IDEA」で独自計算した値も色分け表示する。将来的に「トラスコ オレンジブック.Com」にもスコープ3排出量データを表示し、購入履歴から購入商品のCO2排出量をレポートとして提供するサービスも検討しているという。サスティナビリティ情報開示の先進的な取り組みとして、製造業・卸売業界で注目される案件になるだろう。
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