PFAS代替の鍵はN–F結合!名工大卒生らが総説発表
発表日:2025.05.12
名古屋工業大学(名工大)生命・応用化学類の柴田哲男教授と、同大学での研究経験を持つ4名の研究者を中心とする国際共同研究チームは、ペルフルオロアルキル物質(PFAS)の代替を視野に入れた新たな分子設計の方向性を提案した。
PFASは極めて安定で分解されにくく、環境中に長期残留することから「永遠の化学物質」とも呼ばれ、人体や生態系への悪影響が世界的に問題視されている。研究チームは、医薬・農薬・材料分野に応用可能な含窒素フッ素化合物の合成法、反応性、環境応答性を体系的に整理した。
特に注目されるのは、従来のPFASに比べて分解性が高いとされるN–FやN–CF3構造に着目し、「分解可能なフッ素化合物」という新たな設計指針を提示した点である。これは、環境負荷の低減と機能性の両立を目指すフッ素化学の新たな潮流を示すものであり、今後の触媒や材料開発への波及も見込まれる。
分子構造レベルから環境適応性を考慮したフッ素化学の再構築を試みた本研究は、PFAS代替化合物を用いた機能性材料や触媒、医薬・農薬などへの応用可能性を示している。
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