(独)国立環境研究所など、自然生態系における炭素収支量を1km解像度で解析
発表日:2011.04.14
(独)国立環境研究所地球環境研究センターの三枝信子陸域モニタリング推進室長と名古屋大学大学院環境学研究科の佐々井助教を中心とする研究グループは、国内の複数大学及びNASAとの共同で、日本域の自然生態系における炭素収支量を1kmの高解像度で解析することに成功した。同研究の特徴は、衛星観測データを複合利用することにより、土壌を含めた自然生態系の炭素収支量を推定する新たな手法を開発したことにある。同研究の結果、ほぼ日本全域の生態系が二酸化炭素を吸収しており、特に北海道中央部・北部や太平洋沿岸部で吸収量が多いことが明らかになった。この空間パターンは、従来行われてきた解像度の粗い解析の結果とは大きく異なっており、日本のような複雑な地形・被覆の地域では、少なくとも1km程度の解像度が必要であることが示された。今後は、地理情報システム(GIS)と組みわせることで、地域毎の炭素収支量の特徴や気象変化・土地利用変化との関係が明らかになり、行政区分ごとの二酸化炭素収支量の評価や管理に貢献することが期待されるという。
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