オランダ環境評価庁(PBL)は、同国における過去40年間の環境政策を分析し、その結果を基に環境政策の新たな方向性を示す報告書を発表した。報告書によると、これまでの政策は大気・水質・土壌汚染等の解決において多大な成果を挙げたという。しかし、気候変動・生物多様性減少・資源不足という新たな世界的問題には、従来の環境政策では十分に対処できない。国内やEU内で拘束力のある取決めが行われても、企業のグローバル化等により取決めの政治的な根拠が崩れ、同時に政府機関に対する国民の信頼も低下している。報告書では、新たな世界的問題には国際協調による取組が必要であると指摘したうえで、政府が21世紀の環境政策へと転換するための10要素を提示し、例えば、ネットワーク社会の特徴を生かした情報普及などを論じている。さらにPBLは、政策の策定に当たっては、企業や国民の経験と知識を活かすことが重要であるとして、国民的議論を喚起し、今後の課題について共通の理解を得た上で、克服すべき障害等について共同で検討したいとしている。