フィンランドなどの科学者のチームが、バルト海地域における地球温暖化の影響に関する報告書「バルト海の気候変動の第二次評価(BACCⅡ)」を公表した。これは、2008年に公表された第一次評価の改訂・拡張版であり、過去約200年間に観測された気候変動と、21世紀中に起こり得る変化を検討したもの。報告書によると、バルト海地域では既に気温上昇が起きており、バルト海北部では1871年春季から2011年春季にかけて1.5℃の上昇が記録されたという。報告書のシミュレーションでは、今後、バルト海の海面水温は約2℃、ボスニア湾では最大4℃上昇する可能性が示された。その他、21世紀末までに約30~80センチメートル海面が上昇することや、水温上昇と塩分濃度の低下から海洋・陸上の生態系が変容することも予測され、最悪の場合は陸上から流入する栄養塩類によりバルト海の富栄養化が加速する可能性があるという。モデル間の違いのため正確な予測はできないが、地球温暖化がバルト海地域に著しい影響を及ぼすのは明白であり、気候変動の緩和・適応の措置が重要だという。
情報源 | フィンランド環境研究所(SYKE) プレスリリース |
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国・地域 | その他 |
機関 | フィンランド環境研究所(SYKE) |
分野 | 地球環境 自然環境 |
キーワード | 生態系 | 地球温暖化 | 気候変動 | 気温上昇 | 富栄養化 | バルト海 | 海面水温 | フィンランド | SYKE | フィンランド環境研究所 |
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