欧州委員会は、電気・電子機器廃棄物の回収・リサイクルを定めたWEEE指令、電気電子機器に含まれる特定有害物質の使用制限を定めたRoHS指令について改正案を提案した。これは両指令の履行状況を改善し、行政上の負担を軽減することを目的としたもの。両指令が2004年に発効して4年後の現在も、指令に則って取り扱われた電気・電子機器廃棄物は3分の1に過ぎず、残りは埋立処分やEU内外で基準を満たさない処理が行われており、再生資源の喪失、環境や健康へのリスクが危惧されている。規制対象物質を使った機器もEU内で多く見られる。改正案では、両指令の定義等を明確化し、他のEU法令との整合性を改善する。また、RoHS指令については、医療機器を対象に追加し、優先物質リストをREACH規則に沿ったものとすること、規制に沿った機器へのラベルの導入等を提案。WEEE指令については、現在一律の回収目標を機器の年間流通量に応じた国別の目標とすること、リサイクル・リカバリー目標の5%引き上げ等を提案している。