イギリス気象庁(MetOffice)と国連世界食糧計画(WFP)は、気候変動が飢餓に及ぼす影響を予測したオンラインマップの開設を公表した。気候変動が引き起こす災害は、土地や家畜、作物に損害を与えて飢餓を増やし、市場や食糧供給網の利用もより困難にすることが懸念されている。特に、サハラ以南のアフリカなど気候変動の影響に対して脆弱な地域で飢餓が深刻化する恐れがあるという。このオンラインマップは、WFPの食糧安全保障専門家とイギリス気象庁ハドレーセンターの科学者による5年間にわたる共同研究に基づいており、気候変動が世界各地で食糧安全保障の脆弱性に及ぼす影響を2080年代まで予測した。オンラインマップでは、気候変動への適応が失敗すれば多くの人々が深刻な飢餓や栄養失調に陥る恐れがあるものの、適応と緩和の取組によって最も深刻な飢餓の発生を回避できることも示している。WFPは、将来世代の食糧安全保障のためにも国連気候変動パリ会議で適切な方針を定める必要があるとしている。