イギリス自然環境研究会議(NERC)は、道路沿いの植物や公園、庭園などの「グリーンインフラ」を活用した都市生活の改善や持続可能な街づくりを実現する様々な研究プロジェクトに約120万ポンドを投じると発表した。グリーンインフラは、雨水を吸収して洪水を減らす、自然との触れ合いによって住民の幸福を増進するなど多くの利益をもたらすが、その経済的な評価が難しく重視されていなかった。今回助成対象となったプロジェクトの多くがグリーンインフラの価値を正確に捉えるツールを政府や企業の意思決定者に提供することを目的としており、一部では特定分野に絞った研究(植樹する木の選び方等)も行われる。各プロジェクトの研究内容は、例えばマンチェスター大学ではグリーンインフラの活用が都市の環境変化への適応や持続可能な成長にもたらす効果、ウォーリングフォード水理研究所は自然植生の賢明な利用による河岸の浸食防止や洪水抑制の効果、レスター大学は市民の庭が育む生態系による幅広い利益、オックスフォード大学等はイギリス初のエコタウンとなるビスターの開発等である。