生物多様性および生態系サービスに関する政府間科学政策プラットフォーム(IPBES)は、2016年2月のIPBES総会で承認された、生物多様性に関する政策立案改善のための報告書「生物多様性及び生態系サービスのシナリオとモデルの方法論に関するアセスメント」政策決定者要約の電子版・印刷版を公表した。世界各国の専門家らによる2年以上に及ぶ分析作業の成果をまとめたもの。食糧、水、エネルギーなどに関わる持続可能な開発目標は自然環境に依存する部分が多く、その達成には、生物多様性と自然がもたらす利益について、断片的な判断でなく、科学に基づき変化を予測して適切に政策と行動を決定する必要がある。この報告書は、政府、民間部門、市民社会が、生息地の減少、侵略的外来種、気候変動などの変化の予測に基づく適切な決定をするのに役立つ実践ツールキットとなる。アン・ラリゴーデリIPBES事務局長は、シナリオとモデルが政策決定者の先取り的な行動を可能にするとともに、IPBESの他の評価作業に携わる専門家らにとっても貴重な指針になるとして、報告書の完成を評価した。