生物多様性および生態系サービスに関する政府間科学政策プラットフォーム(IPBES)は、南北アメリカ、アジア・オセアニア、アフリカ、ヨーロッパ・中央アジアの生物多様性と生態系サービスに関する4つの地域別評価報告書を公表した。それによると、全地域で生物多様性の減少が続いており、人類の福利に寄与する自然の能力が著しく低下しているという。生物多様性減少の原因は、生息地の変化、気候変動、特定外来生物、汚染、自然資源の持続不可能な利用であり、これらの影響の相対的重要性は地域によって異なる。生物多様性の減少が、人類の利用する食料や燃料、気候変動への適応などに及ぼす悪影響も懸念される。各国が生物多様性の保全と持続可能な利用を図り、かつ気候対策や水の確保など様々な施策を進める道は幾通りもあるが、そうした施策は各国の状況に合わせることが必要だという。報告書は100か国以上の550人以上の専門家による3年におよぶ取組の成果をまとめたもので、コロンビアのメデジンで開催された第6回IPBES総会で承認された。